moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

サスペンス番組の観過ぎか?

★★取材ノート★★


下の火災報知器…10年前は、お福には隠しカメラの様に見えていたらしい。


ネットで調べると、現に報知器型カメラが販売されているから 驚きだ。
 私は そんな紛らわしい盗撮器の存在さえ知らなかった。


 「え!?、こんなのが隠しカメラに見えるの!?」
と驚いたが 案外 お福の方が知識はあるんじゃないか?
と思った。。。



下の写真は 狭小住宅で使っていた 家具調こたつのコードである。
ウィーンと音がするので コードは抜いたまま
 ただの座卓として使用していて、コードは何気に棚に置いたままだったのであるが、
 彼女は このコードには隠しカメラが仕掛けられている、と思っていたらしい。


 「え?、ほんじゃ このコードの上にタオルか何か乗せようとは考えなかったん?」
と訊くと、 お福は答えた。


 「その頃 朝 起きた時に【これ以上動くとナイフで殺すぞ!】と言う幻聴が聴こえていたので
下手に動いてはいけない、じっとおとなしく耐えなければいけない、と思っていた」と。。。

生きづらさ:街中を歩いていても

10年程前にやっと抗精神病薬を服薬するようになり…
当時は 典型的な陰性症状で ほとんど寝たきりだった お福。


みるみるうちに30キロ近く増えた体重。


自分でもなんとかダイエットしないといけない、と自覚を持ち
運動の為に 街中をウォーキング出来るようになったのは
5~6年間  服薬を続けてから後の話しであるが、(2~3年後の時もあったと思う。。)
1~2週間 頑張って 毎日30分ほどのウォーキングを続けたかと思うと、もう何ヵ月も外出しない日が続いたり…


自らスポーツジムの会員になり、しばらく通ってみたものの
すぐに辞めたり…


その度に一喜一憂していた私だが
最近 お福に取材して、改めて 彼女の生きづらさが見えてきた。



★★取材ノート★★


お福、ウォーキング途中の話しである。
直近の話しだ。


大きな交差点でお福が信号待ちをしていた時
後方から 部活帰りらしい 中学生の自転車二台が追い付いてきた。


自転車少年タケルが、前を走る 少年ヤスオに大きな声を掛ける
「車、来ていないじゃないか?、渡れよ!」


ヤスオは 危ないナァ、といった素振りを見せながらも
少年達は お福の横を追い抜き 赤信号を素早く走り去る。


その時、お福には 少年タケルの「渡れよ!」の声が
馬鹿正直に赤信号を守っている自分に対する、嫌味のように感じるらしい。


「弱虫め、渡れないのか?」と言う悪意を持った、本当は自分に向けられた
聴こえよがしの 嫌がらせの声掛けのように感じてしまうらしい。



他人の咳、他人の声、全然関係のない喋り声でも
お福には 嫌味に聞こえたり
自分の存在が他人の行く道を邪魔しているんじゃないか?、と思ってしまう…



…あぁ、なんと…
だから 外へは出づらいのか…

常人には想像もつかない生きづらさ

★★取材ノート★★


お福の「見られている」被害妄想に関して
前回の記事で「リビングのエアコンは全然大丈夫」と書いたが
後で訊くと、それほど大丈夫でもなかった様だ。


やはり、隠しカメラで見られている と言う感じはしていたらしいが
「理性で そんな事はない筈 と気持ちを抑えていた」そうな…


そしてテレビの件も打ち明けてくれた。


テレビにも どこかに隠しカメラがあり
テレビ局の人にも、自分(お福)のテレビを観ている様子が相手側に映像として映されていて、常に見られている と思っていたので体育館座りをしてキチンと姿勢を整えながら観ていた。と言う。
「テレビを観るのもしんどかった」と。
ある時には テレビ観賞している自分の姿がYouTubeで流されている様に思っていた事もあったらしい。


…なんと…親の私は そんな被害妄想は考えも及ばず、自室は貧相にして お福の部屋にはテレビを置いて快適な引籠りが出来るように配慮していたのだ。
そして、夕飯時 リビングでチャンネル権を握っているお福の横でイライラしていた…


【コンビニの件】
店員がこっちを見ていると、万引きを疑われている様に感じてしまうらしい…


コンビニに限らず、スーパーなどの人混みの中では
誰かが咳をすると、自分(お福)に対して嫌味な咳払いをしている様に感じてしまうらしい。自分が邪魔になっているのかな?と思ってしまうそうな…




統合失調症の当事者には  普通の人には想像できない「生きづらさ」があるようだ。

幻聴と被害妄想の類い

★★取材ノート★★


お福の聴こえる幻聴は様々なセリフらしい。


私は物忘れが良い方なので以前の記事とダブるかも知れないが
具体例を記しておこう。


「だから ハローワークには行くな、と言ったじゃないか!」
「そんなに頭が固いとは思わなかった」
「死ね!」
「お母さんとも喋るな!」


上記は幻聴が華やかだった10年ほど前のフレーズだが
体調の悪い時は「死ね」…数ヵ月前にも聴こえる と言っていた。


最近は「ごめんね」と「もう少しだ」


お福は「もう少し」だから頑張ろう、と言う意味に受け取るらしいが、
私は「もう少しだ」もう少しで治る、と言う意味に受け取る。



【被害妄想】の例
約10年前に、現在住んでいるマンションに越して来たのだが
最初はリビングだけにしかエアコンを設置していなかった。
やっと経済的な余裕が生まれ、お福の部屋と私の部屋にもエアコンを取り付けたのは8年程前の事である。
お福は「休息期」で ほぼ毎日を寝て過ごしていた。


新しいエアコンをそれぞれの部屋に設置出来て
「これでお福も快適に 自室で引きこもれるだろう」と私は意気揚々としていたが…


最近聞いた話しによると、その頃 彼女は
被害妄想もまだ元気に活躍している時期で
「エアコンには隠しカメラが仕掛けられているんじゃないか」
と疑っていたそうだ…


ちなみにリビングのエアコンは「全然 大丈夫」だったらしい。

どこかの村のババ様みたい…

今現在の お福の生活は 全くのFreedomである。
私が仕事に出ている間は「パラダイス」だ。


仕事:しなくてもいい。
学校:行かなくてもいい。
家事:しなくてもいい。


何時に起きようが、いつまで寝ようが 誰も何も文句言わない。
いつ どこに 行こうが、 誰にも 何をも 制約されない。


家の中の食料:肉類・野菜類・パン・牛乳・コーヒー・茶…ほどほどに常備されている。
優雅なヒッキー生活が出来る。


金銭:通帳と印鑑は自分で管理している。自由に買い物も出来る。


★★★取材ノート★★★


しかし、彼女は そんな恵まれたニートにも関わらず 不安らしい。
(但し、ニートには年齢制限があるらしい。今度の誕生日が来ると お福は40歳になるから…中年ヒッキーかな?)


・家族の誰かが急病にならないか?、事故に遭わないか?…
・孫兵衛が道路に飛び出して車に轢かれたりしないか?…
・父や母よりも自分の方が先に 死ぬんじゃないか?…


まるで
♪~「元気でいるか~?」「街には慣れたか?」♫「友達出来たか~?」
♪~「寂しかないか~?」「お金はあるか?」♬「今度 いつ帰る~」
と、常に家族を心配している どこかの村に暮らすババ様みたいだ。


取りこし苦労をするのは第一子にありがちな 損な性格かも知れないが、
せっかくのパラダイスが…あぁ、もったいない…