moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

「パンドラーク」社の自己啓発セミナーと、夫の弟「タカル」の話し

まずタカルの話し


タカルは 夫より三歳年下で 三十代で逝去したが


私達夫婦の新婚時代の安アパートに、よく泊まりに来ていた。
私が自分の月収10万でやり繰りしていた時期だ。
何の娯楽も外食もせず ただひたすら家事・仕事に明け暮れていた頃である。


彼は  無料で 晩ご飯にありつき  風呂に入るのが目的で、アパートに来る時は
映画帰りだったり どこかで遊んでの帰りだったりした。
ただ きれる人物ではないのは一目瞭然で、職を転々とし うどん屋に就業していた時はワカメと昆布を よく間違い、体よくクビにされたりしていた。


私には 度々 あつかましく泊まりに来るタカルは迷惑だった。
彼が来ると 嫌でも私の用事が増えるし 食料も減る。調理した晩ご飯のほとんどが彼の胃袋に納まる。食費さえこちらは切り詰めて生活しているのだ。



片方で…
夫は私に「田舎のおふくろは可哀相なもんだ」と言う。
「今まで美味しい物も食べず 働きづめで、旅行にも行った事が無い。月1万円小遣いを渡してやれ。」と。


私は…確かにそうだ。お義母さんは貧しくて 苦労が多く 娯楽を楽しんだ話しは聞いた試しが無い。
 気の毒に思って、苦しい家計の中から 月に1万円 お小遣いをあげていた。



ある時、夫は脳天気に笑いながら言った。
「おふくろ、あの金をタカルにやっているぞ」


こちらは、毎日 ストーブも我慢して灯油代を浮かし、仕事帰りの疲れた躰でスーパーの値引き食品を探して夕食を作り 弁当の下ごしらえをし…
電気・ガス・水道も節約してギリギリの倹約生活をした上での1万円である。


せめて義母自身が そのお金で旅行へ行ったり お洒落を楽しんだりしてくれるのなら
こちらも納得できる。
甲斐性の無い我が子に小遣いを与えたい親心はわかるが、相手は私よりも余暇を楽しむ生活をしているのである。


私はタカルが憎くて仕方がなかった。