moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

家長の責任②

「簡単なデスクワークと電話番、あと仕入先への支払金の管理を頼む。
給料は 売り上げ金の中から10万でも20万でも、好きなだけ取ってくれていいから」

夫から求人が寄せられたのは7~8年前である。
太郎が夫の商売の手伝いを辞めて 自分の専門の仕事に就きたいから、と言う。


私がいそいそと 夫の商売を手伝いに行き始めた時
太郎は30歳近かった。


「東京に履歴書を送りたいんだけど 切手は幾ら要るん?」
彼は、82円×区間数を頭に思い描いていたようだった。


社会保険の医療保険を、あっさり生命・第二生命の医療保険と同じように考えていた。


つまり…30歳近くになっていても、全くの世間知らず だった。
会社の仕組み・福利厚生も分かっていない様だ。
私が出て行った時の高校生のまま 時計は止まっていたかの様だった。


夫は この子に 一体何を教えていたのだろう?


太郎がネットで見つけた職場は、ハローワークには登録していない
極めてブラックに近い 名ばかりの有限会社だった。


太郎は その個人経営者の許で3年半 務めたが
そこの社長は自己啓発セミナーに惚れ込み、「白菜コース25万円」「きゅうりコース15万円」「キャベツコース13万円」の講師を 自ら無償で高速を飛ばしてエネルギーをつぎ込む人物だった。


太郎が 自己啓発セミナーの「白菜コース25万円」「きゅうりコース15万円」「キャベツコース13万円」を、社長に誘われるまま受講し出したのは言うまでもない。


純粋な太郎は 私にも 夫にも 次郎にも そのセミナーを勧めた。
私は
「そんな高額なセミナー…相手は心理学のプロが洗脳しているんよ。好奇心だけで受講したらミイラ取りがミイラになるよ」と止めたが、
土曜日・日曜日(私が休みの日)に電車に乗ってセミナーに行こうとする。


そんな時は 必ず夫から電話が掛かってきた。「太郎がまた 妙なセミナーに行こうとしている」
私は車を走らせて 太郎の許に駈け付け そのセミナーの金額の高さと洗脳の手口を 何とか解らせようとするのである。


結局、太郎は その会社を辞めると共に自己啓発セミナーも卒業したのだが
100万以上の出費だったらしい。



「家長の責任」とは何だろう…