moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

地を這うが如く

木工細工の趣味は足掛け3年ほど続いていたろうか…


ヘルパー清姫と篤姫を蹴って、今のヘルパー「クイーン」に換えた頃もまだ 木くずが部屋に見え隠れしていたので、今から5年ほど前まで 木工趣味に興じていたことになる。
ちょうど お福をマンションに迎えて5年ほどだ。



その間の彼女の様子と言えば…


お福の統合失調症が、その正体を隠しながら 誰にも知られず 何年も掛けて侵攻したように
快方に向かうのも、地を這うが如く 進行時の倍の時間を掛けてジワジワと良くなっていった。良くなっている。


彼女をマンションに迎えてから4年ほど経つと 起きている時間が多くなって来た。
午後を回ってから起床して、居間でゴロゴロしていた。身体を縦に起こしている時間が増えた。


セカンドオピニオン的に尋ねた医師は「年単位で考えないといけませんよ」と言っていたが、
私は内心、 いやいや オリンピック単位じゃないですか?


体重は  適正な薬を服薬し始めた頃から  安心したようにその勢力を伸ばし
健康だった頃から30キロ近く増えた。
90キロ近くになった時、それまでは「まぁ、増えるだけ増えても 後でダイエットすればそれでいいんじゃない?」と努めて呑気を装っていた私でも
思わず真顔に戻って「90キロ越したらヤバいん違う?」と言ってしまった。


私は 体重の重い人は心臓に負担が掛かる と聞いていたし
肥満が原因ではないが 、お福の叔父にあたる人(夫の弟)が
30代で心不全を起こして逝去した事実がある。


私は表向き へーきな顔を装いながらも、内心はびくびくモノだった。神経質に 心配していた。
お福の入浴時間が長い時には バスタブで心不全を起こしているのではないか?、
いや、声掛けしては駄目だ、コッチが心配している事を知ったら 向こうは伸び伸び入浴出来なくなる…


お福は家事は一切しなかった。ただ自分の使った食器を洗う、これだけだった。
居間でゴロゴロくつろぎ、テレビのチャンネル権は彼女が握っていた。
一台しかないパソコンを使う事もあった。PCは共有だ。



本当に 人間と言うのは勝手なものだ。


お福が回復の兆しを見せて 居間でテレビを観ている。一日中 自室のベッドで寝て過ごしていた頃に比べたら 明らかに手放しで喜んでいい状態だ。


しかし、私は違った。
お福の部屋にはテレビも机も書棚も揃えている。
一方、私の部屋にはベッドと 簡単な台を置いているだけである。


私は… 


二人暮らしと言えども一軒の世帯である。
家中 全てのことに目を配り、快適な生活が出来るよう家事を含め
様々な 目に見えない用事も遂行している。外貨も稼いで(バイトのこと)、経済面でも一手に担っているのである。


そんな私が ゆっくりくつろげる夕食後、テレビくらい 好きな番組を観たい。
パソコンも 湯を沸かす待ち時間 など、ここぞ といったその瞬間に使いたい。


お福が自分の部屋でテレビを観ず、私の傍らで 居間のテレビを観たり パソコンを見たりしている時
私は 正直イライラした。


月イチで通院し、私の不眠症の為に眠薬を処方するなど、
母娘まとめて面倒をみている、お福の主治医に
「あの子が傍に居ると イライラするんです」
と言っては 医師を困らせたものである。