moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

燃える女

「幻聴が聴こえる」


その一言を なぜ もっと早く言ってくれなかったのか、と思わないでもないが
自立支援塾に行った時、一晩中 幻聴に悩まされながらも 母親の私にさえ打ち明けてくれなかった お福。


そんなお福が幻聴の事実を打明ける気になったのは 何故か?、まだ現在のところ
訊いていないので 分からない。


しかし、私は思う。
あの ぼろアパートの異常な店子さんの生活、その暮らしぶりを見て「同じ一人暮らしでも ワタシの方がマシだわ」と思って告るきっかけになった としたなら…
あの店子さんは「天からの使い」だったに違いない。



お福が 真っ当な服薬を始めてから二週間目になり、必要量の薬が処方され始めると
私はさっさと 「医師免許を持った人 その②」は切り捨てた。


いや、正確に言うと障害年金受給の為の診断書をもらった後で 切り捨てた。
私は統失の本 三冊から障害年金の知識を得、闘志を燃やして それこそ ぼろアパートではなく こちら地元の市役所、保健所、受診歴のある精神科医院を駆けずり回った。
眼は見え辛さを増していたが アゴを少し上に向ければ なんとか車を運転することが出来た。
診断書は二ヵ所の精神科で書いてもらい、初診日から一年半(だったかな?)の日付までさかのぼって、障害年金は何ヵ月か後に お福の口座に振り込まれた。250万余り 振り込まれたと思う。
「なんで こんな大金 もらえるんや?」
お福から、入院中の私のケータイに メールが入ったものだった。



私は 頑張り過ぎていたのだろう。
いや、やはり 二人の病人を抱える事は相当なストレスだったのか
バセドウ持ちだった私に 降りかかって来たのは
今度は「甲状腺眼症」だった。
普通 バセドウとくれば 眼球突出が有名だが、この眼の病は 高齢者に多いのが眼球を動かす小さな筋肉が炎症を起こし、眼球の位置が狂ってしまうことだった。
下直筋とか言う筋肉がビーフジャーキーの様に固まって肥大化したようである。
一旦硬直した筋肉は もう元に戻らない。


私の場合は その度合いがひどかったようだ。右眼の方が大きく下に傾いた。
もちろん 物は二つずつ、歪んだ場所に見えた。複視と言う。
まともに両目を開けていたら道も歩けない。何も出来ない。
約一ヵ月のステロイドパルス治療、その後の放射線治療、
それでも治らなかったので 最終的には斜視手術を行ってもらった。
手術はしてもらったものの、眼は健康時の様な状態には戻らなかった。今でも右眼が少し下にずれている。
視力も落ち、なにより 動体視力が著しく低下しているので 普通の外歩きさえ脳疲労を起こす。見ること自体が 常に負荷がかかるのである。


これは私には決定打となった。。。