moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

獅子は我が子を千尋の谷に落とす

お福は若者自立支援塾へ入塾した。
気候のいい初夏だったと思う。


私が お福の学習用の私物を一生懸命荷造りしていたら…
「お母さんが そんなに綺麗に包んだ荷物、もったいないから向こうで荷ほどき出来ないわ(*^^)v」とジョークを飛ばしていた お福。
そんなお福が塾を中途で辞めて家に帰って来たのは 送り出してから 翌日のことだった。たったの一泊!


唖然とする私に、お福は
「お母さんは 私の辛さを全然 分かってくれていない。
お父さんに躰を触られて どんなにイヤだったことか…」と まことしやかな虚言をはき、偽の涙さえにじませた。(いや、これは後で分かった事だが…触られていないのに 触られた感触がするも幻覚症状の内らしいので、彼女としては本当のことを訴えたまで だろう)


私は私で、「えっ!?まさか!?」
敵(夫)は野卑な人間だけれど 性欲は淡泊な方だ。ソコまで野生化しているとは考えにくかったが 可能性は捨てきれない。いや、コレは虚言ではなく 本当の事かも知れない。解明できるまでは自分の胸の内に秘めておこう。
こればかりは太郎にも訊けない・・と。


塾長に問い合わせすると、
「娘さんは 【自分は塾に入りたくなかったけれど母に無理矢理行かされた】とおっしゃってました。
面接した際には あれほどやる気を見せておられたので、こちらも随分 引き止めたのですが、もうこれ以上無理を強いるわけにはいきませんでした。
まずは病気を治すことが先決です」と。


私は とうとう堪忍袋の緒が切れた。


何を言ってるのだ!
大きな病院の精神科元医局長を務めた名医があれほど 『怖い病気』を疑いながらも
「どうやら恐れていた病気ではなさそうです」と診断を下したのだ。
先生が おどけながら「じゃ、うつ病とでも書いておきましょうかねぇ」と書いてくれた診断書もきっちり提出したじゃないか!?
【母に無理矢理行かされた】?、そんなセリフに簡単にだまされるとは!
病気?、そんなの 怠け病に決まってる!!


私はお福に宣言した。
「じゃあ、福ちゃん この家で自立する練習をしたらいいわ。
【獅子は我が子を千尋の谷に落とす】
ライオンが我が子を谷底へ落として、試練を与えるように
お母さんも 福ちゃんを この家に一人置いて、自立できるように試練を与えるわ。仕事を見つけて、自分のことは自分でしなさいね。」


そう宣言して 私は お福を一人 狭小住宅に置いてけぼりにして、
買ったばかりのマンションに自分だけが さっさと引っ越したのであった。。。