moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

自分の手元にお福を迎えて②

統失は本人に病識がないのが症状。
多分、其処が致命傷 と私は思う。


その頃 私は精神的な病と言ったら「うつ病」しか知らなかった。
上の姉が、うつ病とは高熱が出ている状態 と考えたら分かり易いヨ、
ほら 何をするのもしんどい状態、って考えたら分かるでしょ?、と。


単純な私は 「なるほど そう考えたら分かり易い」
食事も用意しておいて お福には自由気儘にニートをさせた。
ちょうど次郎が専門学校を終えて こっち(私の狭小住宅)に帰り
もう仕送りしなくてもいい状態になったので、
フリーターの次郎からは生活費を徴収したが、病人からは徴収せずに 束の間ではあったが、ほんのしばらくは三人暮らしだった。
お福は次郎にも険悪な顔を向けて「わたしの行動を見張ってるんやろ?」と言う。
次郎「はァ!??、思いっきり福ちゃんの思い違いやで!」


彼女は、土・日に泊まりに来る太郎にも「わたしが警察に行かんように見張りに来たんやろ?」と矢を向ける。
(夫の商売で申告がほにゃららなのを いつもお福は気にしていたらしい。夫の元でも変なコトを言っていたらしい…『警察に言わんとあかん』と)
お福の頭の中では、申告漏れを彼女が警察にチクりに行くのを阻止する為に 太郎が泊まりに来た、と言うストーリーだ。


普段は 私は兄弟げんかには決して口を挟まなかったが、そんな時だけは「それは思い違いで 太郎が〇〇家にとって不利益になる行動をする筈がない」と理論で制したが、今から思うと 彼女は決して納得できていなかったが、母親の意を汲んでおとなしくしたのだろう。


しかし そんなこんなも 「高熱ゆえのうわごと」と取っていた私は神経質な割りには まったく無神経な母親だった。


次郎は「田舎での独り暮らし」を計画していたが そんなお福の状態を見て
「僕、田舎へ行ってもいいか?ここに居てなくてもいいか?」と私とお福を案じてくれたが、私は あっさりと「う~ん、あんな変なこと次郎君に言うくらいだから むしろ出て行った方がいいんと違う?」と言ってしまった。
兄弟仲が悪くなるのを避けたかった面もあるが、自分一人の力でお福を治す自信はたっぷりあったのだ。
次郎は安心して「田舎での独り暮らし」に旅立って行った。