moetudukeruonnaのブログ

娘が罹患した失統との闘い

今は亡き父の注射針の話し

今日 ふと、お福とは関係ない 私の父の認知症の頃を思い出した。


あの頃は お福はまだ夫の許で暮らしながら 毎晩 私の住まう狭小住宅に泊まりに来ていた頃だ。


立派な介護ステーションのデイケアなるものを見学し、是非 脚の悪い父に格安で器具の揃った施設を利用させたくて、
市役所や外科医院など走り回り ようやく介護認定を受け、煩雑な届けや面談を経て
父を送迎バスに乗せたあくる日だった。
デイケアステーションの方から「お父さんが頑として血液採取を拒まれましたので、こちらとしては入浴もさせて頂けませんでした」と連絡を受けた。
最初に血液検査をする事は聞いていたし、まさか 強い父が注射針を怖がるとは思いもしなかったのだ。
これじゃ まるで幼児だ。


あくる日、私はコンコンと父を説得した。
父は倹約家であり、商売人気質がある。ソロバンが好きだ。
私は、普通に健康診断を受けて血液検査を受けたら何万円も掛かるヨ、と力説した。
それが無料で検査してもらえるのだから こんな得な話しは無い、
お昼も食べさせてくれるし、お風呂も入れる
利用しなかったら損だ、


その次のデイケアの日、父は納得して送迎バスに乗り込んだ。


認知症を相手にする時は、いかにして相手に納得させるか、が勝負どころだ。
いつも私の頭はフル回転していた。